“文学少女”と恋する挿話集(2) 感想

“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)

“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)

文学少女の短編2冊目。短編1冊目のあとがきで「琴吹さんと森ちゃんのお話は、次の"挿話集"にまとめて収録する予定です。」と告知されてたので、とても楽しみにしてました。


琴吹さんと森ちゃんが仲良くなったきっかけ、反町くんと森ちゃんの話、琴吹さんの恋愛話などが収録。ちゃんと本編とリンクしていて、「この人から見たらこうだったのか」とか「そういやこういう話があったなあ」とか、いろいろな発見がありました。もちろん、短編同士も繋がりがあって、「このアドバイス、自分で体験したことじゃんか」と突っ込みを入れてみたり。全体的に明るい話が多くて、素直に楽しめました。


特に、反町くんと森ちゃんの話にはニヤニヤ。文学少女シリーズは一癖ある人たちが多いので、イマイチ共感できないことが多いのですが、反町くんと森ちゃんのバカップルっぷりにはすごく共感できます。文学少女シリーズで唯一共感できるカップルかも。


いろいろな問題が起きたり、起こしたりしつつも少しずつ近づいていく二人の関係はいいものでした。最初はちょっとダメなところがあった反町くんの成長っぷりもいい感じ。人間、恋でここまで成長できるもんなんですね(棒読み) また、本編同様もしくはそれ以上に文学作品との絡みも秀逸でした。ロリコンにマザコンにホモで、よくぞここまで…。


そして、この短編集のメインディッシュは琴吹さんですね。琴吹ななせです。文学少女シリーズで初めて出会ったときは「何だこの狙いすぎなキャラは」と思ったものですが、最近はホントに可愛く見えてきました。これだけ内面描写されちゃうと、ただのツンデレとは一線を画してくるってもんです。ななせの悶えっぷりにニヤニヤしたり、本編を思い出して涙を流したり、大忙しでしたよ。


最後の「ななせの恋日記 特別編」も良かったなあ。一途な女の子にここまでの破壊力があるとは。あとがきに「(ななせは)きっと幸せになる」という記述もあったし、これからの文学少女シリーズにも期待ですね。