「DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件」感想

DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件

DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件

今まで読んでいなかったのが不思議な作品。


原作は、それはもう大好きでした。1話を立ち読みしたときからハマってしまい、途中からは毎週のように某掲示板のネタバレを心待ちにしていました。手の込んだ嘘のネタバレもたくさん投下されて、ホントに退屈しなかったことを覚えています。


続きが気になる漫画は今もいくつかありますが、デスノート以上に続きが気になる作品はでてきていません。毎週いろいろ予想を立てて、友達と議論して・・・今思うのは、当時からブログをやっていればよかったなあと。その時、自分がどんな予想をしていたのか、というのはすっかり忘れてしまいましたし。


この作品は、読んでいて原作がとても懐かしくなりましたものでした。そういや、Lってこんなヤツだったな、と。原作がそのまま文章になったようで、とてもいいノベライズだったと思います。というか、ここまで完成されたノベライズは他にないんじゃないかな。まだ読んでない人はぜひ。


以下、ネタバレ注意


せっかくなので、ネタバレありの感想も書いておきます。


当たり前ではありますが、原作を読んでいること前提の作品でした。申し訳程度の解説がついているとはいえ、デスノートという作品を全く知らないとあんまり楽しめなさそうです。*1逆に言えば、原作を読んでいればいるだけ楽しめる作品というわけです。


ノベライズをするにあたって、世界観だけを踏襲した別作品を作ることもできたと思いますが*2、本編にでてきた「ロサンゼルスBB連続殺人事件」を取り上げてくれたのもうれしいところ。原作があそこまで出来上がった作品なので、原作につながる過去編を書くのは相当大変だったと思います。もしかしたら原作者の大場つぐみが少しは考えていたのかもしれませんが・・・。


そして、原作をミスリードに使ってしまうってのがすごすぎ。最後まで、竜崎をLと信じきってしまいましたよ。だって、あんな奇怪な行動をするのってL以外ありえないじゃん。漫画でみたLの奇怪な行動を文章で読むたび、ニヤニヤしてたわけですが、もう少し疑わなくちゃダメでしたね。


原作の出来もすばらしいものでしたが、その出来上がった作品から「アナザーストーリー」を生み出した西尾維新もさすが。できることなら、「ロサンゼルスBB殺人事件」以外の話も読みたいところですが・・・これは贅沢か。

*1:デスノート本編のネタバレもありますし。

*2:夜神月以外がデスノートを手に入れたら」みたいなifストーリーのほうが書きやすそう。