「迷い猫オーバーラン!―拾ってなんていってないんだからね!!」感想

アキバBlogが登場すると聞いて。


不思議なもので、"ほぼ完売"なんて文字を見ると買いたくなってくるんですよね。スーパーダッシュ文庫の作品は「電波的な彼女」以外持っていないし、イラストも好みの絵柄だし、ラブコメに外れはないだろうということで買ってみました。


こういうの考えると、ライトノベルって話題になったもん勝ちですよねえ。自分でも店頭や公式サイトで新刊チェックしてるけど、なんだかんだで見逃しがありますし、気になる作品を全部買うこともできないので、"最後の決め手"はニュースサイトや感想ブログになることもしばしば。


もちろん、感想を書いた人と趣味が合わなくてガッカリすることもあります。ですが、最近は「いかにネタバレに触れずにおもしろくて自分の好きな作品に出会えるか」ということまで楽しめるようになってきたので、それはそれで。


そしてこの作品。「アキバBlogが登場する作品で、売れてるらしい」という、本編にもイラストにも関係ない適当な理由で買いましたが、普通に良作でした。途中でアキバBlogのことなんてすっかり忘れてしまいましたからね。


最初はややご都合主義な設定だなあという印象も受けましたが、それらの設定が最後まできちんと"生きている"というのがとても心地よかったです。何となく予想できたとはいえ、最後の1文は破壊力抜群ですよ。


ブコメというのは、最後にどうなるかは何となく予想できてしまうものですが、この作品はその過程もしっかりしてますし、何か所か予想を上回るところがありました。プロローグの1ページがホントに生きてますね。


何やら2巻も出るようですが、ここまでやっておいて2巻が出せるのは、メインヒロイン、芹沢文乃の性格があってこそ。1巻で回収できてない話も少しばかりありますし、2巻も期待して待つことにします。


以下、ネタバレ注意

そこで、という訳ではないが、生まれて初めて誘拐しようとしたら相手が大金持ちのオタク少女でフラグが立って執事になった話のごとく、彼女は俺にフラグを立てた。

やや不自然に挿入されたこの一文にはニヤリ。むちゃくちゃ「ハヤテのごとく!」じゃん。パロディ作品がさらにパロディされてるよ。


男キャラたちのオタク設定は唯一なくてもいい設定だった気がしますが、何か所かこんなネタが仕込まれていて、退屈はしませんでした。まあ、ここまで濃いヒロインたちに負けないためには、そりゃオタクになったり、服を破いたりせんとな。