「ばけらの!」感想

ばけらの! (GA文庫)

ばけらの! (GA文庫)

ここまでやられると「何も言えねえ」

とあるライトノベルレーベルからデビューした新人作家・杉井ヒカル。彼を取り巻く先輩や同期の作家たちは、驚くことにみんな美少女だった!


そんなあらすじを読んで、楽しみにしていたけど、期待はしていなかった作品。作家の妄想がたっぷり詰まった「アタタタタ・・・」な出来になると思っていたんですが、ここまでやってくれると清々しい。やや強引なところはあるけれど、ちゃんと「主人公が作家」っていう設定をちゃんと生かしていますしね。


また、作中にはこんな会話がでてきます。

「困ったな。あのさ、知り合いから電話あって。GA文庫の編集なんだけど」

「ん?」

「九月刊に一本書ける作家いないかって。(中略)・・・って頼みに来たんだけど」


うーん、なんか知ってる話な気がするぞ(笑)さらに、編集と作家の会話がそのまま掲載されていたり。「どこまでホントなんだよっ!」って感じですが、だいたいホントのことなんだろうなぁ。


そんなこんなで、株やったり、パチンコやったり、麻雀やったり。帯に書いてあることが「間違いじゃない」ってのが怖いところですね。というか、これで正解。この帯は悪くないんです。むしろ、すばらしいんです。


当たり前ですが、ライトノベルを読んでいれば読んでいるだけ楽しめる作品となっています。特に、杉井光先生の各作品の「あとがき」を読んでおくことを推奨。なんとなく、この作品の「原型」というものが見えてくると思いますよ。


昔から「作者は○○○だったから、それが作品にも表れていて・・・」という国語の勉強法にはうんざりしていましたが、それも無駄じゃないことがよーく分かりましたよ。この本、作者の影響受けまくり。ホント、いい勉強をしました。