「AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜」感想
- 作者: 田中ロミオ,mebae
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/07/19
- メディア: 文庫
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田中ロミオ流学園ラブコメということで、作者買いしてみました。やや、田中ロミオさんのエロゲにお世話になったことはないんですけどね。ただ、「人類は衰退しました」はエロゲの「エ」もでてこない作品だったので、どんな恋愛を描くのかが気になったんです。
で、読んでみた感想が冒頭の一行。悪い作品ではないんだけど、かなりの忍耐が必要な作品でした。
最初は高校デビューを基点とした、あまーい日常ラブコメかと思ったんですよ。クラスのグループとか、最初の印象が大事とか、そこらへんが妙にリアルで。その後は、魔女さんが登場してきて、これは「灼眼のシャナ」みたいな展開になるのかと思ったら・・・。
以下、ネタバレ注意。
全部、妄想なのかよっ!
読んでみれば、妄想戦士が大量発生するというなかなか泣ける展開。
主人公が助けなければならない、レディス佐藤(良子)も感情をほとんど前に出さないためか、なかなか同情できないのが痛いところ。ひたすら続く、中二病設定(の妄想)もどこまでマジメに読めばいいのかと少しばかり処理に困りました。
でも、読み終わってみれば、クラスがこんな状況になる理由も、先生が理不尽な要求してくる理由もすっきりして、「やっぱり助けてやってよかった」って思えるようにまとめてしまうのがこの本のすごいところ。最後まで耐え切った人にはきちんとご褒美が待っているわけです。ラスト30ページは本当にすばらしい。
ただ、そこに至るまでのイタい成分が多すぎかな。同じような黒歴史を持っている人や、オタク描写が嫌いな人は避けたほうが良さそうな気も。個人的には、もうちょっと「浮き沈み」の「浮き」の部分が増えてほしかったです。