「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」感想

タイトルに釣られました。


コンセプトとしては、「リアル妹がいる人にしてみたら、妹萌えはねーよ」って感じでしょうか。
たまーに、妹のいるオタク友達とそんな話をするわけですが、やっぱり妹がいる人は「妹ゲー」はできないみたいですね。まぁ、現実は妹に幻滅してしまうというパターンが多いみたいですが。


この作品はその逆のパターン。妹が「凄すぎて」近寄りがたいというお話。主人公がつらつらと語る理由は妙な現実味があってちょっと怖くなってきましたよ。自分が「かわいい女のきょうだいがいたらなー」と思えないのも、まさにこれ。ホント、オタクでごめんなさい。


以下、ネタバレ注意。


作中で妹が一言。「うう、かーずSPとアキバblogめ……」


まさか、いつも自分の見ているニュースサイト名をライトノベルで見ることになるとは。なんというか、「かーず自重」とかいってみたくなりました。というか、むしろ「作者自重」か。


この本は、タイトルも題材もうまいんだけど、内容はちょっと物足りない感じも。
後から後からすごいところがでてきて、妹の完璧超人っぷりは分かるんですが、その設定があんまり生きてないんですよね。むしろ、そこまですごかったらオフ会参加して一発でバレるんじゃねーかと。


そもそも、妹はあれだけのゲームをどうやって集めたんだという話もありますしね。最近はクレジットカードを持っていれば、通販で買えるみたいですが、店頭購入はハードルが高い気もします。でも、化粧しちゃえば意外と買えるのか。あー、そこらへんちゃんと書いてほしかった。


ラストは思っていたことと少し違ったけど、予想通りの展開といえばそんな感じ。
18禁ゲームが存在する理由についてはそうするしかないよなーと思いつつも、主人公17歳じゃねーか、と。頑固なお父さんのはずなんだけど・・・あれれれれ。


ただ、「乃木坂春香の秘密」とは違った方向で、オタクの女の子の話を読めたのは本当に良かった。どちらのヒロインもなかなかの曲者で完璧超人なわけですが、どちらかといえばこちらの妹のほうが親しみやすいかな。